【2026年最新】看取り介護加算とは? 算定要件・単位数と2027年度介護報酬改定の論点
投稿日:2026.10.30
最終更新日:2026.10.30
ジョブメドレーアカデミー編集部
看取り介護加算は回復の見込みがないと診断された方の看取りを、多職種の連携で支えた場合に算定できる加算です。本記事では算定要件や単位数、区分ⅠとⅡの違いをサービス別に整理しました。2027年度介護報酬改定に向けた論点もわかりやすく解説します。

目次
看取り介護加算とは
看取り介護加算の概要と目的
看取り介護加算は医師が回復の見込みがないと診断した入所者・入居者について、本人や家族等の同意を得て、医師、看護職員、介護職員、介護支援専門員などが連携して看取り介護を行った場合に算定できる加算です。死亡日以前45日から死亡日までを期間に区切り、それぞれの単位数を死亡月にまとめて算定します。
施設内で亡くなったという事実だけでは算定できません。看取りの体制を整えたうえで、本人・家族等への説明と同意、多職種による計画と記録など、実際の支援が要件を満たしている必要があります。
看取り介護加算の対象サービス
看取り介護加算を算定できるのは次の5つのサービスです。
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(地域密着型特養)
- 特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホームなど)
- 地域密着型特定施設入居者生活介護
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
特定施設入居者生活介護や認知症対応型共同生活介護の短期利用、外部サービス利用型特定施設入居者生活介護、介護予防サービスは、看取り介護加算の対象外です。また、特定施設入居者生活介護の指定を受けていない住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅も、本加算を算定できません。
なお、介護老人保健施設、訪問看護、看護小規模多機能型居宅介護などにはターミナルケア加算、小規模多機能型居宅介護や短期入所生活介護には看取り連携体制加算があります。いずれも看取り介護加算とは別の加算であり、算定要件も異なります。
看取り介護加算の算定要件
算定要件はサービスごとに定められています。ここでは、5つのサービスに共通する要件を確認したうえで、サービス別の主な違いを整理します。
【共通】医師の判断と本人・家族等の同意
看取り介護加算の対象者は、以下のすべてに該当する人です。
- 医師が一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがないと診断した人
- 医師、看護職員、介護支援専門員などの多職種が共同で作成した介護計画について、適切な職員から説明を受け、同意している人(家族等が説明を受け、同意している場合を含む)
- 看取りに関する指針に基づき、本人の状態や家族の求めなどに応じて随時、介護記録などを活用した説明を受け、同意したうえで介護を受けている人(家族等が説明を受け、同意している場合を含む)
看取りに関する指針は入所(入居)の際に本人や家族等に説明し、同意を得ておく必要があります。厚生労働省の介護サービス関係Q&A集では、同意の有無の確認は原則として入所時に行い、遅くとも看取り介護の開始前に行う必要があるとされています。指針の見直しで施設の看取りに関する考え方などに重要な変更があった場合は、改めて説明し、同意を得なければなりません。
また、看取り介護は「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容に沿って行うこととされています。本人の意思を基本に、状態や希望の変化に応じて繰り返し話し合うことが求められます。
【共通】看取りに関する指針の整備と職員研修
対象サービスに共通する施設基準として、次の3点が定められています。
- 看取りに関する指針を定め、入所(入居)の際に本人・家族等に説明して同意を得ていること
- 医師、看護職員、介護職員、介護支援専門員などが協議し、看取りの実績などを踏まえて指針を適宜見直していること
- 看取りに関する職員研修を行っていること
指針に盛り込む内容としては、施設の看取りに関する考え方、終末期の経過に応じた介護の方針、施設で対応できる医療行為の選択肢、医師・医療機関との連携体制、本人・家族等への説明と意思確認の方法、家族への心理的支援などが示されています。
なお、特定施設入居者生活介護の場合、「重度化した場合における対応に係る指針」に必要な内容を盛り込めば、看取りに関する指針の作成に代えられます。
職員研修については、夜勤者や新規採用者を含む職員が看取りの方針を理解できるよう、計画的に実施することが重要です。研修の実施日、内容、受講者などを記録しておくと、実施状況の確認や運営指導への対応にも役立ちます。
【共通】看取り介護の計画作成と記録
看取り介護の計画は医師、看護職員、介護支援専門員などが共同で作成し、状態の変化に応じて見直します。実施にあたっては、次の事項を記録して多職種間で情報共有することが求められます。
- 終末期の身体症状の変化と、それに対する介護などの記録
- 療養や死別に関する本人・家族の精神的な状態の変化と、それに対するケアの記録
- 看取り介護の各段階で把握した本人・家族等の意向と、それに基づくアセスメントや対応の記録
サービス種別による算定要件の主な違い
共通要件のほかに、サービスごとに定められた要件もあります。複数のサービスを運営している法人では、事業所ごとに確認してください。

特養(地域密着型を含む)では、常勤看護師の配置と24時間の連絡体制に加え、看取りの際に個室や静養室を利用できるよう配慮することが求められます。特定施設(地域密着型を含む)は夜間看護体制加算、グループホームは医療連携体制加算の算定が条件です。
区分Ⅱが設けられているのは特養と特定施設です。特養では配置医師緊急時対応加算の施設基準を満たし、施設内で亡くなった場合に限り算定できます。特定施設では夜勤・宿直を行う看護職員の配置状況に応じて、日ごとに区分Ⅰまたは区分Ⅱを算定します。
なお、特養では本人や家族等の希望により多床室で看取り介護を行った場合も算定できます。ただし、個室を希望するかどうかは時期によって変わることがあるため、適宜意向を確認することが大切です。
看取り介護加算の単位数、区分ⅠとⅡの違い
サービス別の単位数
看取り介護加算の1日当たりの単位数は次のとおりです。地域密着型特養・地域密着型特定施設の単位数は、それぞれ特養・特定施設と同じです。

算定時に注意したいルール
看取り介護加算の算定にあたっては、死亡日や退所・入院の時期によって取り扱いが異なるため、次の点に注意が必要です。
- 単位数は死亡日を起点に数え、死亡月にまとめて算定
- 退所(退居)日の翌日から死亡日までは算定不可。ただし、退所後に亡くなった場合も、退所日までの看取り介護について算定できる場合がある。特養の区分Ⅱは施設内で亡くなった場合に限る
- 退所(退居)した月と死亡した月が異なる場合は、退所後に自己負担分を請求することがあるため、退所(退居)時に説明し、文書で同意を得る
- 入院・外泊中は算定対象外。ただし、入院・外泊の当日は所定単位数の算定状況によって取り扱いが異なる
- 実際の請求額は、地域区分に応じた1単位の単価によって変動
看取り介護加算では、看取りに関する職員研修の実施が施設基準の一つです。ジョブメドレーアカデミーのターミナルケア研修なら、夜勤者や非常勤職員も含めて、それぞれの勤務に合わせて動画で受講できます。受講状況はシステム上で確認できるため、研修の実施記録づくりにも役立ちます。看取りに関する研修体制を整えたい方は、サービス資料をご覧ください。
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2027年度介護報酬改定に向けた看取りの議論
2027年度(令和9年度)介護報酬改定に向けて、社会保障審議会介護給付費分科会で審議が進められています。2026年9月3日の第264回会合では、「医療・介護連携、人生の最終段階の医療・介護」が議題となりました。
看取りに関連する加算はサービスによって算定率に差があり、算定要件や報酬水準も大きく異なります。こうした現状を踏まえ、看取りとACP(アドバンス・ケア・プランニング)について、次の論点が示されました。
- 各サービスにおいて、ACPをどのように位置づけるか
- 本人が望む場所で、より質の高い看取りを行うための方策
- サービス類型ごとに加算の有無や要件が異なることを踏まえ、各サービスに期待される機能・役割に応じて、看取りの評価をどう考えるか
なお、2026年10月末時点で、看取り介護加算の単位数や算定要件を見直すことは決まっていません。改定内容が正式に決まった際は、最新の告示・通知を確認してください。
看取り介護加算を算定するための準備と注意点
算定に向けて確認しておきたい事項
まずは事業所のサービス種別と算定したい加算区分を把握し、前提となる体制(特養の看護体制、特定施設の夜間看護体制加算、グループホームの医療連携体制加算)が整っているかを確認します。そのうえで、届出、看取りに関する指針と入所時の説明・同意、看取り介護の計画、記録、職員研修の状況を点検しましょう。
加算算定の可否は書類の有無だけでなく、実際の支援内容が要件を満たしているかどうかで判断されます。運営指導で算定の根拠を説明できるよう、施設内の役割分担と記録の方法を決めておくことが大切です。
職員研修を継続して実施するための体制づくり
看取り介護では介護職員、看護職員、生活相談員、介護支援専門員など、関わるすべての職種が指針に沿った対応を共有しておく必要があります。しかし、交代勤務のある施設では集合研修の日程調整や欠席者への補講、新規採用者への教育が負担になりがちです。
動画研修なら業務の合間やすきま時間を使って、職員それぞれの都合に合わせて受講できます。研修担当者は未受講者を一覧で把握できるため、個別に声をかけるだけで受講を促せます。動画で基本を押さえたうえで、事例検討やデスカンファレンスで自施設の看取りを振り返ると、知識を実際のケアに結びつけやすくなります。
まとめ|看取り介護加算の要件を確認し、看取りの体制を整えよう
看取り介護加算は特養、特定施設、グループホームなど5つのサービスで算定できます。ただし、加算区分や前提となる医療・看護体制、単位数はサービスによって異なります。各サービスの算定要件を理解し、看取りに関する指針の整備や本人・家族等への説明と同意、多職種による計画作成と記録、職員研修などを適切に実施することが重要です。
2027年度介護報酬改定に向けては、ACPの位置づけやサービスごとの看取りの評価のあり方が論点になっています。今後の審議の動向にも注目しましょう。
ジョブメドレーアカデミーでは、ターミナルケア研修に加えて、高齢者虐待防止・身体拘束適正化や感染症対策など、運営基準で求められる法定研修もまとめて実施・受講管理できます。年間研修計画や受講記録を出力できるため、運営指導への備えにも役立ちます。施設全体の研修運営を効率化したい方は、サービス資料をご確認ください。
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